2月 2012
13件の投稿
2月の積読処理 その5
つづけて樋口竹穀宏。この人の作品は、エログロ、暴力、人種差別、80年代サブカルが必要不可欠なのですかね?どれも僕は大好物です。それにしても、自分が影響を受けた作家や作品へのオマージュしたいという行為は理解できますが、その数、頻度があまりにも多い。そんでもって薄っぺらい。正直辟易とする。暴力シーンには色気がないし、セックス描写にも清廉さの欠片もない。この手の作品には、圧倒的な絶望感と言うものが個人的には欲しいので、それもないとすれば、要するに何にもない。ツギハギだらけのコラージュ小説。
2月の積読処理 その4
何というか、、この様な小説を読んだことがないので困惑した。作者が書きたかったのは何なのか?あとがきで本人が語っていますが、僕は今までにこんなに非道いあとがきを読んだことがない!と、読んだことないづくしですが。勝手に解釈すると、作者は「恥」というものを書きたかったのではないかしら?太平洋戦争、性同一性障害への偏見、人種差別(特に朝鮮人に対しての)、バブル期の金満主義などなどの恥ずべき行為を全編で提起してますが、4章ある内読んでおくべきなのは、1章と4章のみで十二分なのです(はっきり)。薄っぺらい問題提起の仕方でも色色と再考するべきなのは確かなのですが、あとがきに於いて作者が一番恥知らずだということが露呈してしまいます。「恥」というものを書こうとしていたのであれば大成功していると言えるのでしょう。
2月の積読処理 その3
島田雅彦読んだの20年振りだー。初の長編ミステリだそうです。どんな風に捌くのか期待しましたが、これがまた超オーソドックス。何の衒いもない王道ミステリ。新鮮さはないが安心して読める感じ、かな。「奇を衒う」とは。「衒奇症」という統合失調症の一形態らしいが、島田雅彦には存分に奇を衒って欲しかったなぁ。
2月の積読処理 その2
将棋の才能しかない男。その才能を真剣の世界でしか発揮できない男。一般的に見たら唯のダメ人間。本人もこの能力の為に苦界に甘んじなければならないジレンマには苦悩するが、決して捨てられないもの、それが元凶たる将棋の存在。アンビバレンツな世界に埋没し続けおっちんだ。鬼神と言われた男の人生。壮絶!
おしらせ
祝 建国記念日。神武天皇が即位してから2672年経ちました。比較的穏やかな過しやすい日ですね。皆さんごきげんいかがでしょうか?祝日の今日も平常営業しております。よろしくどうぞ!
店主 いとう
2月の積読処理 その1
タイトルからして、奴隷化された先住民族、フリークス、精神異常者など満載小説かと思ったが、クライムミステリーで誘拐ものでした。妄想しすぎ(でもなかったが)。初連城だったが、伏線の張り方が凄まじい。登場人物と一緒に「え?そうなの!」と一々驚かされる。結末の件は賛否が分かれるところだと思うけど、なにぶん犯人の思想が団塊の世代でなんだかなと。。それよりも、自分が檻の中に居るのか外に居るのかという形而上的な問題が主題なのかな?この社会においては結構普遍に深刻なテーマ。
おしらせ
明日土曜日は建国記念日で祝日ですが、ダイニングバーitoは休まず営業しております。よろしくどうぞ!昼間の陽射しは暖かでもやはり夜になると寒い。皆さん風邪など召しませぬよう、体調にはお気をつけください。
1月 2012
22件の投稿
1月の積読処理その6
超近未来の日本。虫(ワーム)という極小カメラによって全ての人間の行動が記録され監視下に置かれた中、13歳の少女アイドルが全身を661箇所切り裂かれ惨殺される。事件の背後に存在する無限の存在ジャック。1901年のロンドンで起きたジャック・ザ・リパーとの関連性。と、興味津々のテーマ。でも明らかに小説家の視点では無いなと思った。後々映像化されるのを前提として話を描いているようなもんだから、文章だけで物語を伝えきれていない。話が進むほどに矮小になってなって結局破綻していると思う。こういうケツも拭かずに書き逃げされると非常に腹立たしい。唯一、ローティーンの少女の世界観の部分は印象深くショッキング。土屋アンナ推薦だそうです。
先日久しぶりに映画館に行った。最後に行ったのが確かヴェンダースの「ランド・オブ・プレンティ」だと思うので、6,7年振りか?ひどい。しかも観たのが「イナズマイレブン go」。http://www.inazuma-movie.jp/#/top 素面では無理だと思ったので昼間っからビール飲んでほろ酔い気分でいざ鑑賞。映画が始まって数分で自分の中に少年の心が無くなっている事を再認識。そのまま瞑想に入りました。しかし、つくづく映画観というものは贅沢な存在だなと思った。値段的にも時間と空間の使い方にしても。だからこそ特別な存在なんだけど。もすこし安ければいいのにな。
1月の積読処理 その5
Y田さんに意味がわからないから読んでみてといわれて読んでみた。確かに、時系列が前後するのでわかりづらいですね。そこら辺りは整理すれば解るんですが、読まないと損するという謳い文句が良く解らなかった。フジコの幼少時の描写は、子供特有の悪意の無い残酷な行動が空恐ろしく身につまされるし暗澹とします。おそらく筆者の体験が影響大なのでしょう。が、フジコが成長するにつれてのエピソードが稚拙で貧弱。要はありきたりで面白くない。殺し方や死体の処理なんかもどっかから取ってきて貼っつけたような感じ。あとがきで真相を知り驚愕し慟哭するなどと帯にはありましたが、突っ込み所が多くて説得力無し。新潮45の事件簿(大ファン)読んでた方が全然いい。
1月の積読処理 その4
人狼伝説、ハーメルンの笛吹きの真相とナチスドイツが作ろうとしていたアストラル(星気)の力を持った軍隊の存在。それらを絡めた舞台が12世紀に建てられた双子の古城・銀狼城と青狼城。ワクワクしますね~。中世のヨーロッパの闇よろしく不気味な殺戮が繰りひろげられます。が、このドイツ編では何一つ謎解きがされていない!ガーン。第二部第三部第四部と続くらしい・・・。推理してたのになー。文庫一冊につき600ページ越え、世界最長のミステリだそうで。先は長ーい。
1月の積読処理 その3
日常に混線する風景。子供のころの思い出であったり、妄想癖のそれだったり、他人の念波だったり、様々。それを逐一傍受するのは忙しい。簡単に消せるものでもないから厄介だ。まほちゃんは彼女なりの方法で受信しているのだな。喜びながら悲しんだり、ほっと一息ついて足許を眺めるまほちゃんの文章はジンとくる。
1月の積読処理 その2
梁石日「血と骨」で相当に精気を吸いとられたので短編読んでみた。が、これはこれでズシンとこたえます。特に「夢の回廊」と「さかしま」。互いが絡み合うまさに「さかしま」な狂気の世界。またこれも実話エピソードあるんだろうな~。どんな人生送ってきたんだヤンソギル!
後半部分のタクシー運転手ものも、虚偽と苦悩の連続。読後は絶句し溜息のみ。疲れるけどくせになるな~。
おしらせ
乾燥続く毎日ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
成人式で満月の本日も休まず営業しております。よろしくどうぞ~。
店主 いとう
1月の積読処理 その1
相変わらず外国文学はほとんど読みませんが、アルレーアルレーとうるさいアル中(アルレー中毒の意)の知人の影響で読んでみました「わらの女」。これがまた凄く面白い!グイグイ引き込まれます。
三十路の極貧ドイツ女ヒルデガルデは、大金持ちとの結婚だけを目的に新聞の広告欄で何年も相手を探している。そこに転がり込んだ待望の億万長者へのチケット。お互いの目的達成のため、僅かな報酬のみで相棒となる億万長者の忠実な秘書アントン・コルフ。そんな設定の始まり。
題名の「わらの女」とは、フランス語のHomme de Paille...
おしらせ
明けましておめでとうございます! 本年も気合入れていきますので、よろしくどうぞ!
みなさんにとって良い一年になりますように、願います。
本日4日から営業しておりま~す。
店主 いとう
12月 2011
16件の投稿
本日も営業しております。年内最終日!
夜の定食は、焼き魚定食もしくはメンチカツ定食です。よろしくどうぞ!!
店主 いとう
12月の積読処理 その6
朱川湊人のデビュー短編集。「白い部屋で月の歌を」以降しか読んでいなかったのだが、すでにファンタジー・ホラーたる世界観は完成されています。淡淡と流れる時間の中に、そのものはいきなりに現れ自分と言う存在は刹那に抉り取られる。確実に絶望する瞬間と言うものが、すぐ目の前にも足許にもあるという目を閉じても消えない恐怖。
おしらせ
今日は天皇誕生日でクリスマスイヴイヴですね。それでも池尻itoは休まず営業しております。お待ちしております。よろしくどうぞ~。
店主 いとう
おしらせ
本日は19:30~23:00まで貸切となります。大変申し訳ありません。ご了承願います。尚、年内は日曜日以外祝日も営業しております。どうぞよろしくお願いいたします。
店主 いとう
12月の積読処理 その5
「核」の恐怖から逃れる為、廃坑を箱舟シェルター化した主人公の(基本的には)モノローグ。箱舟に乗る者の人選をすることからして主人公自身の「生」に対するエゴイズムがあるし、共同生命体っていう一方的な均一化の概念も自らのミスと不確定要素と烏合の衆達によってメッチャメチャ。目の前を流動する現実に気づけば穴から這い出た盲目のモグラは絶句する。
どうやら日本初のワープロで書かれた小説だそうで。
おしらせ
今年も残すところ2週間をきりました。はやい・・。Dining Bar 「ito」は年内は30日(金)まで営業しております。よろしくどうぞ!
店主 いとう
12月の積読処理 その4
食のエッセイで、一つ一つここまでいちいち深いテーマをさらっと書いているものもそうそう無いな、と。読むほどに勉強になるし、再考せざるを得ない。表紙の見た目のほんわかさとは別次元の内容。石毛氏の語り口もいい感じです。
おしらせ
当店スタッフEが参加しているユニットikebanaが、渋谷ロク主催のフェスに出演します。野外ライブでのikebanaは貴重かつ危険!!お酒・おでん等の屋台も出るみたいなので、暖かい格好でお出かけしてみてください。池尻itoは休まず営業しておりますので、よろしくどうぞ。
詳しくは、http://oden6.blogspot.com/
12月の積読処理 その3
政府によってチョコレートをはじめとしたあらゆる甘味料を禁止され奪われた国民。それに反旗して決起行動する二人の少年とその友人達。役者のあとがきにもあるように、「チョコレートを自由と言う言葉に置き換えたときの空恐ろしさ」は、今でも繰り返されてきている事実。理想主義を揶揄する人達もいるが、単に刹那的な諦念の持ち主。美味しいチョコレートをなるべく大勢の人達と食べたいという気持ちを持つことほうが大切。何十年かぶりに健全な本を読みました。
12月の積読処理 その2
錚々たるメンツによるリレー式探偵小説。どんな走り方でバトンを渡されるのかハラハラドキドキなのは次の走者だけで、読んでいる方としては、「最後まで走りきれるのだろうか?」「このままゴールしてもなぁ」という、諦めとレース自体に対しての途中から湧き出てきた疑問符なんぞでモヤモヤモヤモヤ。企画としては当時は斬新だったんでしょうが、無理あるよなー。あ、でも夢野久作パートは切り取られた世界観で良かった。
12月の積読処理 その1
明治生まれの自由奔放なお嬢様、醜女、毒婦なんて呼ばれ方で、一般的な印象は決して良くはない岡本かの子。自身の行動に関する批判、嘲笑やどん底の生活、子を幼くして亡くした喪失感、発病(49歳没)など結構タフな人生経験を経て晩年に書かれた短編集。そのどれもが素晴らしい。人物のユーモアも含めた観察眼、表現力あふれた文章はひどく美しく清清しい。「鮨」は特に好きな作品。